概要

統合報告書2023 福井コンピュータグループ INNOVATION for ALL 建設業の思いを創る

DATAOVERVIEWSTRATEGYGOVERNANCEとして示しました。当社は、各事業部が分社化した事業会社による自立経営に切り替わったことで、互いが競い合うこととなり、土木測量の「福井コンピュータ」、建築の「福井コンピュータアーキテクト」ともにそれぞれの開発力と販売力は大きく伸びました。内部事情以外にも、この頃、国土交通省は公共の土木工事にi-Constructionの導入を推進し、普及へと大きく舵を切りました。これにより、当社のターゲットユーザーも公共発注か民間発注かどちらの比重が高いかによって設備投資の内容が変化しだしました。当社の測量土木商品は、建設生産プロセスに欠かせないレーザースキャナーやドローン、データプラットフォーム等のi-Construction関連商品を次々とリリースし、この分野で目覚ましい成長を遂げました。一方、民間発注が大部分の住宅部門は、省エネ住宅の義務化が消費増税のタイミングで先送りとなり、新製品や新機能が肩透かしを食らう形となりましたが、建材データサービスが業績を牽引し、さらにスマートフォンアプリやiPadアプリに連携サービスを拡張したことで、アカウントユーザーが増大しました。分社を機に、このような理由で両社は成長したのですが、縦割り組織・サイロ化と言ったセクショナリズムが生じ、事業間シナジーは見られなくなりました。このように互いの専門性が十分高まったいま、次なる取組みはシナジーによる新たなビジネス展開です。組織的な問題についての対策は次項で書きますが、それを乗り越えたところには大きな可能性が存在しています。BIM/CIM、空き家対策、XR(クロスリアリティ)等、既に予定しているものもありますが、まだまだシナジーによる可能性は尽きません。また、それが実現すれば自ずと当社製品で作られたデータが水平型に広く流布することとなり、建設業界のデジタル化に大きく貢献することとなるでしょう。事業間シナジーの機運を高めることで、さらに商品や組織が向上することを大いに期待しております。事業間シナジーを実現するIT基盤事業間シナジーの可能性は先述しましたが、その実現に欠かせないものとして「IT基盤」があります。イノベーションの項で書きました、「Webサービスやクラウドサービスへの設備投資・人的投資」もこれに帰するものです。少し話はそれますが、デジタル庁発足以降、国の行政機関や地方自治体は、行政サービスの標準化を目的とした「ガバメントクラウド」の推進に力を入れ16